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スイスからの学校訪問
「子どもの自立と幸福、そしてよりよい世界を創造するための新しい学校を建てる構想を描いています。14ヶ月、世界中の様々な学校の調査を行う予定ですが、日本では自由学園を訪問したいと考えています。自由学園はリーダーとしての子どもたちの価値を信じ、自主独立の人としてイニシャティブをとる機会を子どもたちが持つことを可能にする環境を用意している学校だからです。」

5月半ば、スイスの企業家のカップルであるマックス・ピッチニーニさん、マリーネ・タディエさんから突然のメールが届きました。インターネットのWEBサイトを見るとマリーネさんはこれまでに子どもたちの能力を伸ばし可能性を引き出すための教育プロジェクトをいくつか立ち上げており、その経験をもとに学校作りを決意したとのことでした。

「自由学園のことをどこで知りましたか」とお尋ねすると、「知人からの紹介ではなく私たちのリサーチの結果です」とのことでした。見学するのであれば生徒のいない夏休みではなく学期中にとお伝えしましたが、「夏休みということは認識していますが、学校を訪問しお話を伺うだけでも、十分素晴らしく興味深いものになることを確信しています」との強いご希望でしたので、お受けすることにしました。

7月31日、マリーネさんとカメラマンのアントニー・ターシェさんをお迎えしました。国際化センターの矢野先生による校内案内の後、学園長室で1時間ほどお話をしました。暑い日でしたが熱心に学校を回り、途中、大芝生の手入れをしていた夏休み当番の生徒たちにも質問を投げかけていました。私も多くの質問にお答えしましたが、次の時代をつくる子どもたちのための新しい学校を創ろうというマリーネさんの熱意と謙虚な姿勢にふれ、初めてお会いする方とは思えないような親近感を感じました。

数日後、マリーネさんが次のような感想をお送りくださいました。
「私は、教育に関する世界旅行をしています。訪問する国や地域で数校ずつ学校を訪れているのです。日本では自由学園を訪問することを選びました。それは、本当に他の学校とは違うと私には思えたからです。そして、それは、まさしく私が探し求めていたものでした。
予想通り、いやそれ以上に自由学園訪問は私たちにとって、とても、とても大きな刺激Huge inspirationでした。私は本当に、心から感動しました。
自由学園では創立者のビジョンが驚くべき調和をもって続いています。たくさんの愛、そして力。私たちは大きなエネルギーを感じることができました。
私は数人の生徒に会いました。彼女たちは大きな笑みを浮かべ、一人ひとりが本当に幸せそうで、充実しているようでした。私は本当に私の思い描いている教育はこの種の教育に近いと感じました。それは、どのように『知る』のか、『持つ』のかということ以上に、どのように『ある』のか、『なる』のかを学ぶ教育です。
私たちは、この学校で家族の雰囲気を感じることができました。本当にあたたかく、なごやかなものでした。多くの組織が自由学園から学びそれを取り入れるべきです。
私が世界を旅行し、学校訪問をしているのは、通常の学校とは違う学校を創りたいと思っているからなのです。それは、自由学園とは少し違ったものになるでしょう。しかしぜひ私は自由学園と交換プログラムを持ちたいと思います。
私は、親たちに、自分の子供たちのために自由学園のような学校を考えることを強く勧めるでしょう。それは、私たちのそして子どもたちのよりより未来のための鍵となるものだからです。『自由』になることを学ぶこと以上によいことがあるでしょうか。
私は本当に今回の出会いと経験に感謝しています。」
数時間の滞在でしたが、実りある時間を過ごしたことが伝わってくるうれしい感想でした。

「どのように『知る』のか、『持つ』のかというよりも、どのように『ある』のか、『なる』のかを学ぶ教育」というマリーネさんが願う姿は、知識の量や他者の評価によって問われる教育ではなく、「いかに自分自身の人生を生きるか」と自ら問う人を育てたいと願う自由学園の教育に通じるものです。
また「持つ」ことと「ある」ことといったときに思い出すのは、心理学者エーリッヒ・フロムの名著『生きるということ』です。この原題はまさしく「to have or to be」。「持つ様式とある様式」と訳されています。
フロムは、「持つ」様式とは、富、権力、知識などを所有することで自分の存在を誇示しようとする生き方であり、「ある」様式は、自分自身であることに忠実に生き、日々のあり方それ自体を大切にする生き方であると述べています。また、「持つ」様式は世界を分断し、「ある」様式は世界を結ぶ生き方であると言います。「to have or to be」は、生き方を示す指標であるとともに、私たちが目指す社会のあり方を考える上でも示唆に富む指標といえます。
マックスさん、マリーネさんの学校は、子どもの自立と幸福、そしてよりよい世界を創造するための最も新しい学校の一つとして生まれることでしょう。100年前に生まれた自由学園が、今なお新しく、これから生まれようとしている新しい学校に大きなインスピレーションHuge inspirationを与える存在であることをうれしく思います。

昨年はフィンランド、ニューヨーク、ハワイの高校の先生方を自由学園にお迎えし、交換留学が始まりました。来週、高等科、大学部の生徒・学生20人がデンマーク研修旅行に、交換留学生として男子部女子部生4名がフィンランドに向かいます。世界の各地に志を共にし、信頼を持って親しく交わることのできる学校のネットワークを築けることはうれしいことです。いつの日か始まるであろうスイスの学校との新たな交流が楽しみです。
 
 


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